河川・ダム監視を高度化する方法とは?~画像・動画解析AIによる氾濫リスク検知と防災DXの実践~
近年、日本では集中豪雨や大型台風による水害が頻発し、河川氾濫やダム運用の重要性がこれまで以上に高まっています。国土交通省は「流域治水」への転換を掲げ、ハード対策とソフト対策を組み合わせた防災の高度化を推進しています。
その中で注目されているのが、監視カメラやドローン※の映像を活用した画像・動画解析AIによる河川・ダム監視の高度化です。
本記事では、河川管理の現状課題とAI活用の具体的な可能性を解説します。

激甚化する水害と河川管理の重要性
国土交通省は、気候変動の影響により短時間強雨の発生頻度が増加していると指摘しています。
「平成30年7月豪雨」、「令和元年東日本台風」や「令和2年7月豪雨」をはじめ、毎年のように豪雨災害による被害が生じており、線状降水帯による広域水害や、都市部での内水氾濫、山間部での土砂災害など、水害の形態も多様化しています。

画像出典:国土交通白書 2022 1 気候変動に伴う災害の激甚化・頻発化 図表Ⅰ-0-1-1 世界年平均気温の変化
こうした背景から、河川・ダム管理ではリアルタイム監視の重要性が増しています。水位計や雨量計といった従来のセンサーに加え、現地映像を活用した状況把握のニーズが高まっています。特に、堤防の異常や漂流物の滞留、越水の兆候などは、映像による早期把握が有効です。
現場が抱える監視業務の課題
河川・ダム管理の現場では、次のような課題が指摘されています。
1. 監視対象の広域化
全国の一級河川・二級河川は膨大な延長を持ち、すべてを人の目で常時監視することは困難です。
2. 夜間・悪天候時の確認困難
豪雨や台風時は視界が悪く、人員による現地確認が難しくなります。危険度も高く、迅速な判断が求められます。
3. 映像データの活用不足
監視カメラは多数設置されていますが、長時間の映像を人が常時確認するのは現実的ではありません。そのため異常の早期発見が難しいケースがあります。
画像・動画解析AIによるリアルタイム監視
こうした課題に対し、動画解析AIを活用したリアルタイム監視が注目されています。AIはカメラ映像を常時解析し、異常の可能性がある状況を自動検出します。
具体的には次のような検知が可能です。
- 河川水位の急激な上昇や越水の兆候
- 堤防表面の崩れや亀裂の可能性
- 橋脚周辺の漂流物の滞留
- ダム放流時の異常な水流パターン
- 不法投棄や不審侵入の検知
AIが異常候補を自動通知することで、担当者は重要なイベントに迅速に対応でき、監視業務の負担軽減と判断スピードの向上が期待できます。
平時の巡視と災害対応をつなぐデータ活用
国土交通省が推進する「流域治水」では、平時からのデータ蓄積と分析が重要視されています。AIを活用すれば、平常時の河川状態を学習し、通常とは異なる変化を早期に検出できます。

画像出典:国土交通省が推進する「流域治水」
また、ドローン※による定期巡視映像と監視カメラ映像を統合管理することで、広域の状況把握が可能になります。災害発生後には、過去データとの比較により被害箇所を迅速に特定でき、復旧計画の立案にも役立ちます。
AI導入を進めるためには
AI監視を成功させるには、いくつかの重要ポイントがあります。
1.まず、既存の監視カメラやデータ基盤を活用し、小規模なPoCから始めること。
現場の映像データを用いて検出精度や通知方法を検証し、実運用に合わせてチューニングします。
2.撮影条件の整理
夜間対応のための赤外線カメラや高感度カメラの導入など、AI解析に適した映像品質の確保が効果を高めます。
3.AIは監視担当者の代替ではなく補助ツールとして活用すること
最終判断は人が行い、AIは異常候補の抽出やアラート生成に特化させることで現場負担を減らします。
まとめ
気候変動の影響により水害が激甚化する中、河川・ダム監視の高度化は重要な社会課題となっています。広域監視や夜間対応、人手不足といった課題を従来の方法だけで解決することは難しくなっています。
画像・動画解析AIは、監視映像から異常の可能性を自動検出し、担当者の迅速な判断を支援する技術です。平時の巡視データと災害時の映像を統合的に活用することで、予防保全型の防災体制の構築にも貢献します。
弊社では、河川・ダム監視向けの動画解析AIや画像認識AIの受託開発、既存監視カメラとの連携設計、PoC実施から本番導入までの段階的支援が可能です。公共インフラの防災DXを検討されている場合はお気軽にご相談ください。
※注記:弊社では画像解析、動画解析の技術に特化しており、ドローンによる撮影自体は承ることが現時点難しいため、お客様側でドローン等で撮影した動画をもとに解析させていただくことを前提としております。
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