異物検知AIはどれほど期待できるのか?
検査したい対象物と、その中で異物として検知したいものがなにか。

それらによってどのようなAIを開発するのかが異なりますが、
多くのケースにおいては、異物検知AIは有効性があるといえます。
例えば、以下のようなケースです。
AIは、様々な種類の異物を学習し、識別することができます。
複数の種類の異物が混入する可能性がある原料において、その能力を発揮します。
具体例
製紙:木材チップ中の金属片、プラスチック、接着剤など
農産物: 米、麦、野菜、果物などに混入する小石、虫、植物片、ビニール片など
水産物: 魚の骨、鱗、寄生虫、プラスチック片など
鉱物: 砂、金属片、他の鉱物など
化学製品: 製造工程で混入する可能性のある異物、反応残渣など
AIによる異物(不純物)検査は、安全性、品質、効率性が求められる幅広い産業の、様々な種類の原料に対して有効な手段となり得ます。
導入を検討する際には、検査対象となる原料の特性や、検出したい異物の種類、求められる検出精度などを考慮することが重要です。
異物検知AIのメリット
とくに、検査員による検品体制から、異物検知AIへと切り替えていただいた場合には、以下のようなメリットを出せるでしょう。※下記メリットは一例です。本メリットを確約するものではありませんが、システムの構成やAIでの検知対象や求める精度などの条件が整うことで、実現の可能性があります。
●長時間継続検査が可能 人力からシステムへと移行するためシフトや疲労などの考慮が不要となります
●人的ミス削減と効率化 疲労による集中力低下での見落としや漏れなどが起こらないため、検査効率を向上できます
●判断のブレが最小限へ 検査員ごとの判断基準のばらつきが無くなり、良/不良や合格/不合格の判断を一律にできます
●微細物も検知、処理能力速度も向上へ 肉眼では検出が難しい微細な欠陥や異物も検知可能、時間あたりの検査対象数量のアップが見込めます
●ログ化容易で品質管理体制の信頼性向上 データの蓄積が容易となり、それらのデータから分析やトレーサビリティ強化も可能です
異物検知AIのデメリット
そして、あえて異物検知AIのデメリットも挙げてみます。
▼初期導入コスト:
AIシステムの開発・導入、カメラやセンサーなどのハードウェア、ソフトウェアのライセンス費用など、初期投資が高額になる場合があります。
▼システム構築の複雑さ:
既存の製造ラインやシステムとの連携、AIモデルの学習データの準備やアノテーション作業など、システム構築に専門的な知識や時間が必要となる場合があります。
▼環境変化への対応:
原材料の種類や形状、照明条件などが大きく変化する場合、AIモデルの再学習や調整が必要になることがあります。
予期せぬ種類の異物に対応できない可能性があります。
▼誤検出のリスク:
まれに、正常なものを異物と誤って検出してしまうことがあります。誤検出が多いと、ライン停止や再検査の手間が増え、効率を損なう可能性があります。
では、異物検知AIの導入をどう考えるべきでしょうか。
今後の現場環境や人員配置の見込み、必要な検査と費用対効果などを総合的に判断することになりますが、AIの技術進歩や日本国内の労働人口減少なども合わせて考慮した場合、異常検知AIを導入することが有効となる工場や現場は、より増加していくものと推測されます。
検査したい対象物と、その中で異物として検知したいものがなにかにも影響は受けますが、上記デメリットとして挙げた部分は弊社の専門知識やサポート力でカバーできる可能性があり、とくに誤検出リスクについては、AIへの学習や精度などを調整することで現場に耐えうる状態にすることも可能である見込みです。
まずは、課題感のご相談や、PoCによる解決の方向性確認など、お気軽にお問い合わせください。