サイトグラスからの異常検知〜「ToromiAI」活用シリーズ〜

ToromiAIは、AIカメラによる液体監視AIソリューションです。
粘度、液体の色、濁り、油膜などを高精度に判定し、リアルタイムで異常を検知・通知します。
目視検査の属人化や見逃しを防ぎ、品質向上、生産性向上、環境リスク削減に貢献します。

本ブログでは、どのようなシーン・対象物において、このToromiAIが効果が出るのかを具体的にお伝えしていきます。

【今回の対象】配管やタンクの内部を外から直接目で見て確認できるようにした”透明窓”=”サイトグラス”から
         見える製造途中の物体・状態
【検知すること】サイトグラスから見える対象物の異常検知(粘度、色、異物の有無、発泡の有無など)
【期待できる効果】対象物の状態をリアルタイムで確認・監視することで即時異常検知、製造プロセスの効率化や

            不良時のリカバリー早期化

サイトグラスから分かること

製造業の現場では、配管やタンク内部の状態を確認するために「サイトグラス(sight glass)」と呼ばれる透明窓が長年利用されてきました。
サイトグラスはシンプルながら信頼性が高く、液体や気体の流れ、色、濁り、泡、異物の有無といった情報を人間の目で直接確認できる重要な設備です。

しかしながら、これまでの監視方法はあくまで人による目視依存であり、24時間常時監視や異常の即時検知には限界がありました。
そこで注目されているのが、AI技術を活用したサイトグラスの動画監視です。カメラとAI解析を組み合わせることで、従来では難しかった「水面や流体の状態変化をリアルタイムで捉える」ことが可能になり、製造プロセスの効率化とリスク低減に大きな効果をもたらします。

現状の課題:人の目視監視の限界

サイトグラスは優れた設備ですが、その観察精度は人間の目に依存しており、以下の課題があります。

  • 24時間の常時監視が困難:定期巡回やサンプル確認に頼らざるを得ない
  • 異常の見逃しリスク:粘度のわずかな変化や小さな異物、短時間の発泡を人間が捉えるのは難しい、知見が乏しい作業員では発見しにくい場合も
  • トラブル後の発見が多い:配管が詰まってから、製品が不良化してから気付くケースが多い
  • 人件費・負担の増大:熟練作業員の経験に依存しがちで、人手不足の現場では持続が困難

こうした背景から、より効率的で確実な監視方法が求められています。

「ToromiAI」を活用したサイトグラスAI監視の仕組み

一般的なAI画像認識は静止画の解析に適しています。しかし、サイトグラスを通じて見える現象の多くは時間的な変化を伴う動的なものです。
そのため、動画解析AIの導入が不可欠となります。

カメラでサイトグラス内部を常時撮影し、AIがフレームごとの特徴を学習・解析することで、以下の異常を自動検知できます。

検知可能な異常例
  • 粘度の異常:通常より流れが遅い・重いなど、粘性変化を捉える
  • 色の変化:液体が濁る、着色が進む、透明度が低下する
  • 濁りや混濁:粒子や不純物が混じり、水質や流体状態が変化する
  • 油膜の発生:表面に虹色模様や光沢が広がる現象
  • 異物の混入:小さな固形物やビニール片などの浮遊物
  • 発泡や泡の持続:異常反応や汚染により水面に泡が発生

これらは人間の目でも確認可能ですが、AIは連続的に数値化して定量的に判断できるため、異常を見逃さず即時にアラートを出すことができます。

「ToromiAI」によるサイトグラス監視のメリットと期待できる効果

1. リアルタイム監視と即時異常検知

  「ToromiAI」が24時間365日稼働し、異常を即時に検出。これにより、事故や不良品の発生を未然に防止できます。
  「ToromiAI」のベースモデルをカスタマイズし、お客様が検出したい対象物を見逃しません。

2. 人手不足の解消と業務効率化

  従来は作業員が定期的に点検していた作業をデジタル化且つ自動化でき、熟練作業員の暗黙知を会社のデジタルデータとして資産化できることは
  もちろん、業務効率化も同時に実現します。

3. 不良時のリカバリー早期化

  異常発生を早期に把握できるため、被害を最小限に抑えられます。製造ラインを止める時間も短縮可能です。

4. データ蓄積による改善

  AIは異常を数値データとして記録。蓄積された情報を分析することで、発生傾向の把握や予防保全につながります。

5. 企業価値・信頼性の向上

  環境負荷低減や品質保証の観点からも、AI監視導入はCSR活動やESG経営の強化に貢献します。

ユースケース例

1. 食品・飲料工場

  牛乳や清涼飲料水などは「色・透明度・泡立ち」が品質に直結します。
  AIによる常時監視で、異物混入や濁りの早期発見が可能となり、リコールリスクを大幅に低減できます。

2. 化学工場

  化学反応プロセスでは、副生成物や粘度変化、泡立ちがトラブルの前兆となることがあります。
  AIはこうした微妙な変化を検知し、化学事故の防止に役立ちます。

3. 製薬工場

  無菌環境での異物混入や濁りの発生は致命的です。AI監視は目視検査の負担を減らしつつ、確実に異常を検知できます。

4. 水処理設備・環境インフラ

  排水槽や浄水設備における油膜や発泡の発生は、環境汚染や規制違反につながります。
  AI監視を導入すれば、異常をリアルタイムで把握し、即時対応が可能です。

5. 石油・化学プラント

  高温・高圧下で流れる液体やガスの状態変化を安全に監視するために、AI搭載カメラでサイトグラスをチェック。事故予防に直結します。

まとめ

サイトグラスは、製造現場で長年使われてきた「シンプルかつ確実な観察窓」です。しかし、従来は人間の目視に依存していたため、24時間の常時監視や即時検知には限界がありました。

AI技術、とりわけ動画解析AIを組み合わせることで、粘度・色・濁り・油膜・異物・発泡といった多様な異常をリアルタイムかつ定量的に検出できます。その結果、製造プロセスの効率化、不良発生の早期リカバリー、環境保全、企業価値向上に大きく寄与します。

今後、AIによるサイトグラス監視は、食品・化学・製薬・水処理など幅広い産業で標準的なソリューションとなるのではないでしょうか。
製造業が直面する品質保証と持続可能性の課題に対する強力な答えのひとつとなるべく、当社はお客様の課題解決に寄り添ってまいります。

ToromiAI 液体監視ソリューション

株式会社OkojoAI、液体監視AIソリューション「ToromiAI」の提供を開始


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