調味料製造の品質管理〜「ToromiAI」活用シリーズ〜

調味料製造において、AIで品質管理をするイメージ

ToromiAIは、調味料製造の品質管理にも有益なAIカメラによる液体監視AIソリューションです。
粘度、液体の色、濁り、油膜などを高精度に判定し、リアルタイムで異常を検知・通知します。
目視検査の属人化や見逃しを防ぎ、品質向上、生産性向上、環境リスク削減に貢献します。

本ブログでは、どのようなシーン・対象物において、このToromiAIが効果が出るのかを具体的にお伝えしていきます。

【今回の対象】製造工程中のマヨネーズ・ケチャップ・ドレッシング・ソースなどの調味料
        (液体や粘度を持つ流体)
【検知すること】色、濁り、異物の有無、
粘度変化検知
【期待できる効果】正常な製造工程とは異なる異常を検知することで製造プロセスの効率化、品質管理効率化、

            材料ロス低減

調味料の問題を検出するイメージ

食品製造における最重要ポイント:品質管理

食品製造業において、品質検査の高度化は企業競争力を大きく左右します。
特にマヨネーズ、ケチャップ、ドレッシング、ソースといった調味料製造では、粘度・色・分散状態のわずかな違いが製品の仕上がりに直結します。
しかし、従来の検査手法は人の目視やサンプリング分析に依存しており、AIによる画像認識で課題をどのように解決できるかが注目されてきました。

本ブログでは、調味料製造における現状の課題と限界、流体の画像認識AIによる解決策、導入によるメリットとデメリットを整理し、今後の食品製造プロセスにおける可能性を考察します。

現状の課題:調味料製造の品質検査が抱える問題点

調味料製造現場では、以下のような課題が存在しています。

  • 目視検査の限界
    製造ライン上では作業者がサンプルを採取し、色・粘度・分散状態を確認します。
    しかし、人間の感覚に依存するため、個人差や疲労による判断のばらつきが避けられません。
  • 異物混入検査 精度の不足
    従来のカメラやX線では、粘性の高いマヨネーズや濃色のソース内部にある微細な異物を見逃すリスクがあります。
    異物混入検査 精度を高めるには、流体の動きや表面の変化も含めた高度な認識技術が必要です。
  • 粘度や分散の異常検知が困難
    調味料は乳化や混合によって均一な状態を保つ必要がありますが、粘度異常や分散ムラが発生しても目視ではすぐに見抜けない場合があります。
  • リアルタイム性の不足
    サンプリング検査は精度が高い一方で、分析結果が出るまで時間を要し、不良がラインに流れてしまう可能性があります。

このように、食品製造の現場は「品質検査AIの導入が強く望まれる領域」であるといえます。

「ToromiAI」による調味料製造×流体画像解析のアプローチ

1. 色と濁りの解析

マヨネーズやドレッシングでは白濁の度合い、ケチャップやソースでは赤や茶色の色調が品質の指標となります。ここで有効なのがCNN(畳み込みニューラルネットワーク)を用いた画像解析です。RGBだけでなくHSV色空間を活用し、人間には識別しづらい微細な色差を捉えることができます。

2. 粘度の推定

粘性が高い調味料は粘度が少し変化するだけで口当たりや流動性に大きな影響を与えます。AIは3D CNN時系列データ解析(LSTM)を用いて流体の動きを数値化し、粘度の異常を推定することが可能です。

3. 異物混入検査の高度化

従来は困難だった微細な異物検出も、AutoencoderやGANを用いた異常検知モデルで精度を大幅に向上できます。通常パターンを学習させ、そこから逸脱した領域を異常として捉えるため、未知の異物や混入形態にも対応できます。これにより、異物混入検査の精度を従来以上に高められるのです。

4. 発酵や分離の検知

ドレッシングやソースでは時間経過に伴い乳化の分離や発酵が進む場合があります。動画解析AIを組み込み、時間軸での状態変化を学習させることで、単なる静止画では捉えきれない異常を検出できます。

メリット・デメリット

●メリット

  1. リアルタイム検査:ラインを止めずに品質管理が可能。
  2. 客観的データ化:色や粘度を数値化でき、品質基準を明確化。
  3. 異物混入検査精度の向上:従来技術では難しい微細な異常も高精度で検出。
  4. 人材依存の軽減:熟練検査員の勘や経験に頼らず、標準化された検査が実現。

●デメリット

  1. 初期投資コスト:高精度カメラや照明、AIシステム導入費用が必要。
  2. データ収集負担:十分な学習データがないと検出精度が低下。
  3. 環境依存性:照明条件や容器の材質によって誤検知が発生するリスク。
  4. システム維持:AIは継続的に学習・調整が必要で、運用コストも伴う。

上記デメリットについては、当社でさまざまな形で解決が可能です。

まずはPoC(概念実証)を行うことで、「ToromiAI」による検査精度や運用実現性を確かめることが可能であり、必要な部分から導入していけますので、初期コストが過剰になるというご心配はいりません。また、データ収集においては、必要な環境やセッティングなどを当社からご支援・アドバイスが可能ですので、ムダな手間や時間をかけることなく、進めていくことができます。環境依存性が起こらないよう、現場の環境を確認しながら適切な検知環境を作ることも可能です。

AIを調味料製造へ適切に導入するために

以下のようなステップを進めていくことが大切です。

1.現場課題の洗い出し
どの調味料製造工程で不良が発生しやすいかを明確化。

2.小規模PoCの実施
特定ラインにカメラとAIを導入し、検出精度を検証。

3.AIモデルの学習・チューニング
CNN、光学フロー、異常検知モデルを組み合わせ、食品特有の光学的特性に合わせた学習を実施。

4.本格展開
ライン全体に展開し、作業員への教育やマニュアル整備を実施。

5.継続的改善
現場データを蓄積し、AIを再学習することで精度を高め続ける。

調味料製造の品質管理まとめ

マヨネーズ、ケチャップ、ドレッシング、ソースといった調味料製造では、粘度や色調、分散状態といった品質管理が大きな課題となってきました。
従来の目視検査やサンプリング検査には限界があり、リアルタイム性や異物混入検査 精度の面でも不十分です。

そこで注目されるのが、品質検査AI:液体監視ソリューション「ToromiAI」の導入です。
CNNによる色・分散解析、3D CNN・時系列モデルによる粘度推定、異常検知モデルによる異物混入検査など、技術的進展によって調味料製造の課題を解決できる可能性が高まっています。

もちろん初期投資やデータ整備といった課題はありますが、それを上回るメリットとして、リアルタイム品質監視、客観的データ化、検査の標準化といった成果が期待できます。

今後は、「ToromiAI」によって課題を克服し、食品製造プロセスをデータドリブンに進化させる取り組みが加速していくでしょう。その中でも調味料製造は、流体解析AIの効果が特に大きく現れる領域であり、競争力強化のために早期導入検討をお勧めします。

まずはPoC(概念実証)の対象や進め方からご相談いただけます。

ToromiAI 液体監視ソリューション

株式会社OkojoAI、液体監視AIソリューション「ToromiAI」の提供を開始


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