AI導入を相談したい~目視検査のAI化編~
各システムやソフトウェアなどにおいて、AI技術の搭載や実装が当たり前になりつつある現在、「自社でもそろそろAI導入や活用を考えるべきではないのか」と悩む企業も大変多くなってきています。
今回は、製造現場の品質管理において、長年にわたり重要な役割を担ってきた「目視検査」に注目します。
この工程には、熟練した技術者の貴重な知見と経験が詰まっています。しかし、同時に「属人化」「人件費の高騰」「長時間労働による疲労や見逃しリスク」といった多くの課題も抱えています。

これらの課題を解決する切り札として、今、多くの企業が注目且つ導入されているのが、画像認識AIを活用した自動検査システムの導入です。
特に厳格な品質基準が求められる化学製品製造業において、この技術は業務効率化はもちろん、これまで属人化し暗黙知となっていたナレッジを会社の資産にすることができ、人員確保のハードルや疲労や経験不足によるリスクもヘッジできます。
しかし、「AIを導入したいけれど、何から手をつけていいか分からない…」「自社の課題に本当にAIが役立つのか?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、化学製品製造業に焦点を当て、目視検査のAI化を成功させるための具体的なユースケースから、導入時の落とし穴、そして最適なAI導入のためのステップまで、分かりやすく解説していきます。
化学製品製造業における目視検査AI化の具体的なユースケース
ここからは、化学製品製造業に特化した、画像認識AIの具体的な活用事例をいくつかご紹介します。貴社の課題解決に繋がるヒントが見つかるかもしれません。
- プラスチックペレットの異物・変色検査
プラスチック製品の原料となるペレットは、製造工程で微細な異物や変色が発生することがあります。
これらの不良は、最終製品の品質に重大な影響を与えます。高精細なカメラと画像認識AIを組み合わせることで、高速で流れるペレットを一つひとつ検査し、不良品を自動で排除することが可能になります。
これにより、人間の目では見逃してしまうような小さな不良も確実に捉え、製品の品質を均一に保つことができます。 - 薬品容器の充填量・ラベル検査
医薬品や化粧品、洗剤などの化学製品は、規定の量が正確に充填されているか、キャップが適切に締められているか、ラベルの貼り付け位置がずれていないかといった検査が必須です。
AIは、容器を撮影した画像から液面の高さやラベルの傾きなどを瞬時に解析し、不良品を自動で判別します。これにより、検査の高速化だけでなく、人的ミスをなくし、製品の安全性と信頼性を高めることができます。 - 化学反応プロセスのリアルタイム監視
特殊な化学反応や製造プロセスでは、溶液の濁り、色の変化、気泡の発生などが品質の良し悪しを判断する重要な指標となります。
これまでは熟練の技術者が経験と勘で判断していましたが、画像認識AIはカメラで撮影した映像をリアルタイムで分析し、わずかな変化を検知できます。これにより、異常を早期に発見し、製品の不良を未然に防ぐことが可能になります。

落とし穴に注意。なぜ、目視検査のAI化は一筋縄ではいかないのか?
AI導入を検討する際、最も重要なのはその目的を明確にすることです。
それは、「AIを入れること」自体を目的としないことが重要とも言えます。
落とし穴ともいえる、多くの企業がAI導入に失敗する原因は、明確な課題設定や導入計画の不足にあります。特に、目視検査のAI化には以下のような特有の課題が存在します。
▼データの準備不足:
AIは学習データが非常に重要です。しかし、不良品のデータはそもそも数が少ない上に、その種類も多岐にわたります。
また、化学製品の製造現場では、微妙な色の変化や小さな傷など、人間が経験で判断していた「不良」の定義が曖昧な場合があります。
▼現場との認識のズレ:
経営層が「AIで効率化するぞ!」と意気込んでも、現場の作業員がAIの導入に抵抗感を持つことも少なくありません。
「AIが完璧ではない」「自分の仕事が奪われる」といった不安や不信感が、プロジェクトの進行を妨げることがあります。
▼PoC(概念実証)の失敗:
PoC環境では、特定の良品・不良品データセットを用いて高い精度が出るものの、実際の製造ラインで運用すると、照明の変化や製品の僅か
な位置ズレなど、想定外の要因で精度が低下するケースがありえます。
これらの課題を乗り越え、目視検査のAI化を成功に導くためには、ただ技術を導入するだけでなく、これまで曖昧だった判定基準を明確にし、勘や暗黙知をデジタルデータに置き換えることを意識し、ひとつずつ課題をクリアしていく姿勢が不可欠です。
AI導入は進めたいが、AI開発は自社開発か委託するかの選択
多数の技術開発者やAIエンジニア、データサイエンスを自社で抱える大企業であれば、AI開発は自社開発をすでに実施していることでしょう。
今、この時点でAI導入をご検討されており、且つ自社にはAI開発を日頃から行っている技術開発者やAIエンジニアはいない、ということであれば、AI開発は外部の協力パートナーを見つけることをお勧めします。
AI開発についての情報はインターネットにあふれているから、自社にいる技術者にもできるだろう、とお考えになる方もいらっしゃいますが、一言で「技術者」といっても、生産設備や装置の設計・改良を行う機械設計技術者、ーターや回路、計装システムなどの設計・保守を担う電気・電子技術者、反応条件や触媒開発など、製造プロセスそのものの設計を行う化学プロセス技術者、他にも、樹脂や化学素材の開発、耐久性評価を担う材料技術者など、長けている分野はさまざまです。
それぞれの専門分野があるように、AIもその専門的な技術なナレッジに特化した技術者がおり、AI開発・導入を着実に且つスムーズに進めたいとお考えでしたら、AIの専門家とともにプロジェクトを進めることが最適といえます。
例えば、弊社とパートナーシップを組んでいただく場合のメリットとしては、以下が挙げられます。
- これまでの開発・導入知見をもとにした方向性や提案が受けられる
- 課題の適性や目標設定など含め相談初期段階から導入までの道筋がわかる
- データ整理からモデル構築、運用までワンストップで対応可能
- 導入後の改善やアップデートも継続的にサポート
- 貴社内人材不足を補完しつつ、スピーディーにAI活用を開始できる
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